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仕事に就く

ここでは、新卒ではなく、未経験で中途採用で仕事に就くことを想定しています。

ある程度年が行っている場合、未経験では入りにくいのですが、受け付けてくれるところもあります。それは、派遣会社です。表向き派遣と入っていないところもありますが。通常の企業は、教育が必要な初心者は新卒でない限り取りたくないものです。ところが派遣会社は違います。実際の経験を倍増させて、現場に送り込んでくれます。倍増というのは、別に教育をしてくれるわけではありません。社内で若干の研修をさせてOKとなったら、経験1年とかいう経歴書を作り上げて、しかるべきところに送り込むのです。あとは本人のガッツです(涙)。

このことは、二つの可能性を意味します。

1.能力があるにもかかわらず、経験がないために門前払いされていた人に機会を与える。

2.実際に雇う側は、経歴書に騙されて、使えない人材を使わなければならない。

1のケースはOKでしょう。持ち前の努力で、未経験であるにもかかわらず、経験1年に見劣りしない、いやそれ以上の働きを見せるからです。確かにこの業界では知識や経験は重要です。しかし、潜在的に実力があれば、何年もやっている人間よりもかえってよい結果を出します。この業界は、常に勉強が必要です。だから飲み込みの速さというのは非常に重要です。

では、2のケースです。どうしてこういうことがあるのでしょう。騙して来たなら、即派遣元を訴えて送り返せばいいではないでしょうか。しかし、通常、そういうことにはなりません。なぜかというと、そういうことがまかり通っているからです。そして経験ある人は、何らかのプロジェクトを組んでも、4人に1人は全く使えない奴だということを知っています。

そして、大きな企業の場合、大概、その人の直接の上司が面談したのではなく、どこからともなく勝手に連れてきて、お前のところに、となります。全くの素人であるなら、付き返すこともあるかもしれませんが、通常はしばらくの間ははったりが功を奏して、薄々わかってくるころには、もうその人はプロジェクトに組み込まれ、いないよりはましということで、いさせることになります。

もしその人が選んだなら、選んだ手前責任を取らないといけません。そして、猫の手も借りたい現場では、自己欺瞞すらして、招きいれ、スキルのなさは教育によって補えるだろうと考えるのです。あと、本人にやる気があるなら、人情的になかなか切れないものです。こうして少しずつ経験を積んでいきます。

それから、ここは工数の話にもなってきてしまいますが、プロジェクトに使えない人間が何人か入っていても実際は困らないのです。なぜかというと、人月計算の頭数に組み入れられているに過ぎないからです。プロジェクトの規模は、相変わらず人月で計算されます。例えば15人月のプロジェクトといえば、納期が3ヶ月の場合、5人の要員で処理されるということです。しかしこの人月計算というのはおかしなもので、優秀なプログラマであれば、普通のプログラマの数倍生産性があります。今挙げた15人月のプロジェクトでも、2人の優秀なプログラマで3ヶ月というのはわけないことです。

この要員の優秀さの差をつけるために、人月×単価で計算するときに、単価を要員によってランク分けする場合と、優秀さな人間の人月を余分に取る場合があります。優秀なプログラマが1ヶ月で3人分こなした場合、3人月の仕事をしたとするのです。

ところがこの計算では納得しない客がいるのです。15人月で出した見積もりの仕事を2人で3ヶ月で行った場合、9人月余分に取られたと思うのです。そこで、発注側は要員となるメンバーのリストを提示させるのです。そうすると、受ける側は、さらに3人どこからか追加して、5人で仕事をしているように見せるのです。一括請負の場合、客からは見えないので、すでに他のプロジェクトに組み込まれている人を、名前だけそのプロジェクトに参加させるのです。

しかし、派遣常駐の場合、客から見えてしまうのでそうはいきません。そこで頭数を揃えるために初心者を組み入れるのです。その頭数に組み入れられた初心者は全く仕事をしなくても構いません。適当に勉強でもしてもらい、手伝えることがあったら手伝ってもらうのです。初心者に支払う給与が無駄になっても、それ以上の額を客から取れるので問題ないのです。

こういうやり方は詐欺的だと思うかもしれませんが、均一化して計算したがる客のやり方にも問題があるのです。そもそも工数を正確に見積もるのは難しいことですし、要員の能力を測るのも難しいもので、そういう点を考慮に入れて計算が煩雑になるよりも、頭数で算出したほうがシンプルになるのです。

そういうわけで、結局工数ベースの受注の場合、個人の能力の評価というのは発注元では行われないのです。あくまでも個人が契約した会社との間でのことになります。


資格について

資格については、議論が分かれます。資格を評価するところと、資格を全く評価しないところとあります。ないよりはましで、あくまでも実務の方が重要というところもあります。それが多数でしょう。スキルがあり高収入を得ている人でも全く資格を持っていないという人も多くいます。そういう人は資格を持っている人のことを馬鹿にしたりします。実際、資格を持ちながら、現場ではぱっとしない人も多いからでしょう。

個人的な印象では、通産省の情報処理試験よりも、Oracleなどのベンダー資格の方が評価されるように思えます。ソフト開発技術者を取るのも、Oracle Goldを取るのも同じぐらい労力が必要ですが、Oracle Goldの方が評価されます。






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Copyright Dayan All rights reserved. Last Update: 2004.10.09, Create date: 2004.08.31